インド一人旅バックパッカー旅行記〜ジャイプル

インドの土産物屋で品定め。見分け方を教わる

コーラを買うので、商店で止まってくれ、というとオッサンは「タダでコーラが飲める場所がある」と言った。
土産物屋である。「そこではタダで占いもしてくれるよ。有名な店で、外国人観光客がいつも占ってもらってるよ」

そこはやっぱり宝石屋だった。カウンターに座り、まずコーラをご馳走になった。若い青年が出てきて「何が見たいんですか?」
コーラをもらったので、買う気は無いが一応見るフリをして、すぐに店をでた。占いをしてくれる様子は無かった。
「占ってもらったかい?」
「NO!宝石を売りつけられただけやった!帰るわ〜!」
「え?見てくれなかった?ちょっと待って!!」
リキシャのオッサンは携帯で電話すると、占いの人に頼んだから、明日また来よう、と言った。

インド一人旅〜ジャイプルの染物工場

ジャイプルの見所は全て見たので、後はオッサンに任せて布工場に。もちろん、買う気は全く無い。 外の染める場所を見て、工場の中に案内された。

模様を付ける説明、縫製所、デザイン所を見て、本題へ入る。
たくさん布が並んだ販売する部屋で、まずチャイ。他にも観光客がいて、品定めしている。

その部屋の上のトイレに行った。
用を足した後、ドアを開けようとしたが、開かない
あせった!力をいれても、開かなかった。
閉じ込められたのか?」
歩き方に書いてあった、拉致されてどっかの小屋に閉じ込められて、クスリを飲まされ全財産全てを奪われた人の投稿を思い出した。
犯罪に巻き込まれたのか?拉致られたリキシャのオッサンはぐるだったのか?!
「開けてくれ〜!ヘルプミー!!」
大声で叫ぶが、誰も来ない。 思いっきりドアを蹴りまくったが開かない。
ドアノブをガチャガチャ捻ったら、普通にいきなり開いた。ただの建付けの悪いドアだった。

今となればアホな話だが、インドで一番本気でヤバい!と思ったのは後にも先にもこの時だけだった。そしてチャイを飲んで、工場を出た。

次に行ったのは、リキシャのおっさんが勧める政府公認の店「アートコレクション
「ここはジャパンのガイドブックにも載っているだろう?毎日たくさんのジャパニが買ってるよ」 歩き方を確認すると、「政府公認の店」として掲載されていた。

アートコレクションのオーナーは少し日本語が話せる、人のよさそうな人だった。 友人の土産に、ベジタブルカラー(野菜汁の染料で染めてある)のマルチクロスを購入。

インド一人旅〜ジャイプルで購入した土産

インド一人旅〜ジャイプルで購入した土産

この店にある布は、さっき見た工場の布と同レベルの布は、工場の半値以下だった。低品質な布は無かった。

「さっきリキシャのおっさんと工場行ったけど、どれもこの店の3倍以上の値段やったよ」
「他の店は高いですよ。ここは店じゃないから、問屋です!バイヤーと、ガイドブックでこの店を知った人しか来ないです。日本のガイドブックに載ってるから日本人多いですよ。安心してください!」

確かに、この店の物はどれも土産物屋よりずっと安く、素人目に見ても品質が良かった。

オーナーは東京(何区か忘れた)で商売をしていたこともあるし、ネパールにも店を持っているのだそう。

実際この目で見て言えるのだが、土産を買うならこの店をおすすめする。

インド一人旅〜ジャイプルのシヴァ神の絵画

「これは、紙に描いてあるんですか?」

壁に貼られた、美しいシヴァ神の一枚の絵画が目に留まった。
「紙じゃないですよ、布に描いてあるんです。宝石の粉を使ってあるから、一生色あせないし、長持ちするよ」
それは初めて見る質感だった。

私は絵画に関する知識は無いが、日本でもヨーロッパでも、有名な美術館には行っているし、世界的に有名な作品は数多く見ている。絵画鑑賞が好きなだけだが。多分、絵画を見た経験値は、平均以上だろう。

絵の具でもない、輝きを放つ深みのある色。
「他の絵も見せて下さい」
奥の部屋に通され、宝石カラーの絵を見せてもらう。値段はいろいろ。 高いもので30万円、もっと高価なものもあるという。
「これを見てください」
オーナーが指差した壁の絵は、横1m、縦250cmくらいの大きな立派なものだ。
「コレは、この店では75Rs」
「え?こんなでかいのにたった75Rs?!」
「(笑)コレは、宝石カラーじゃないんだよ。タダの絵の具。そしてアーティストが描いたんじゃ無い。美術学校の学生アルバイトが描いたものだよ。近くでよく見てごらん」

近寄ってよく見ると、となりのアーティストの絵とは全然違う。その質の差は、素人目にも一目瞭然だった。
「大きいからって、高価だとは限らないよ。チャイはいかが?」
チャイを飲みながら、オーナーと話す。
ビリーはどう?」
私がタバコをポケットから出すと、ビリーもすすめられた。ビリーとは、インドのタバコである。葉っぱ(ハッパ、ハッシシでは無い)で巻いてあり、タバコより安い。
「タバコより、ビリーのほうが体に害が無いんだよ」
「え?そうなん?ビリーにしようかな…咳が酷いのに、タバコは止められないから」
「なんで、タバコ止められないんですか?」
「え?止めようと思ったことは無いですよ!習慣やし、ストレスもあるんじゃないかな…」
「なんで、ストレスが溜まるの(笑)?」
彼は笑った。そして今まで海外で言われたことがある、外国人から見た日本人の話になった。
「日本人はビジーすぎるからだよ。だからストレスが溜まるんだよ。毎日時間に追われて生活しているでしょ?」
「あ〜今流行りの"スローライフ"ってヤツ?」
そうだ、そうなのだ。しかし…
「そうです、その通りです!でも、日本で働き生活する限り、ビジーにならないとダメなんですよ!」
「…まあ、あんまり深く考えすぎないほうがいいよ。ストレスは体に良くないからね」

そんなことを話しながら、もっと絵画を見せてもらう。
「これはどうかな?面白いでしょう?」
カーマスートラの絵だ。
そうや!インドといえば、「カーマスートラ」!!これもいいなあ〜!
カーマスートラの絵はもっと無いんですか?」
貴族が女性と交わっている、美しくエロティックで妖しい絵。貴族の男が複数の女性と交わるもの(3P)、背後に虎がいたりするのもある。その体位もさまざまだ。
カーマスートラも、候補にしますよ!お願いします!」
工場から私の予算内で買える絵をもってきてくれるので、何点か神様カーマスートラの絵をキープして、明日選ぶことにした。

もう日が暮れて夜だった。店での1時間半は、あっというまだった。 ビールを買って宿に戻る。
途中でリキシャのおっさんが停車した。

「すまん、ちょっと待っててくれないか?」 「なんや?」 「チャパティーを買いたいんだ」
インドの「ちょっと」はビジー日本の「ちょっと」では無い。

「え?先に宿に送ってくれませんか?」 「ワシには、家族がいるんだ」
家族と言われたら、文句は言えない。

大量のチャパティーが入ったビニール袋を積んで、ホテルに戻った。

インド一人旅〜ジャイプルの宿でキングフィッシャーを飲む

左:インドで人気のビール、キングフィッシャーインドのビールは美味い!他の物価より割高かもしれん。外国人価格があるので、なるべく地元民に頼んで買ってもらった。アルコール度数が強いストロングとノ−マルがある。ストロングもノーマルも変わらん気がしたが。珍しいのでザクロも買ってみた。

部屋でビールを飲んでいると、内線電話が鳴った。 「キミのリキシャドライバーが来てるよ」

フロントに降りると、あの16歳の少年リキシャがいた。
「おお!キミか!」
握手を交わす。

「ごめん!!マジでごめん!!オレ、寝てたんだ…」
今朝押せ押せで他の客引きやリキシャを押しのけ、私を連れて行ったときの彼ではなく、とても疲れた表情だった。

「私は30分待ったよ。遅すぎたな…」
「ごめん!!明日は絶対約束守るから!!」
「別のリキシャを予約してしまったんや、ごめんな」
私は今朝の運賃10Rsを彼の胸ポケットに入れた。
「ありがとう、元気でな!」
「ごめんよ、マジでごめんね!」

私が階段を上がるまで、彼は申し訳なさそうな顔で見ていた。彼のリキシャをチャーターしていたら、面白い観光になったかもしれないな、と思った。

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