インド一人旅のバックパッカー旅行記〜ジャイサルメール

砂漠のゴールデンシティでインド最大のトラブル発生

2006/1/31まだ真っ暗な朝6時にジョードプルからバスでジャイサルメールへ。バスはゴージャスな寝台席付の2階建てだ。チャイのサービスもあった。私は窓側の普通座席に座った。 数人に「ジャパンか?」とか話しかけられたりして、何ヶ所かに停車し、砂漠が点在 する道をバスは走る。

ジャイサルメールに近づくと、何人かがチラシを渡してホテルを斡旋してきた。すで にバスの中から、ジャイサルメールの宿の客引き戦争は始まっていた。そしてこの客引きの一人に着いて行った私は、ジャイサルメール名物のキャメルサファリに関する、インドで最も大きなトラブルに遭遇するハメになるのだ。

後から知ったが、ジャイサルメールでは、キャメルサファリの料金やツアー内容などのトラブルは多く、被害に遭ったりモメた人に会った。

11時過ぎにジャイサルメールのバスターミナルに到着した。宿の客引きたちが大勢ホテルの看板を掲げて外国人観光客がバスから降りるのを待ち構えている。警棒を持った警察が仕切っている。その光景は、笑えるほどエジプトのハルガダのバスターミナルに似ていた。

宿を決めていなかったので、とりあえず、某S Hotel(※この宿は冷静に考えたら、人によって良いとも悪いともいえる)の強引でテンションの高い客引きのジープに乗った。イスラエル人家族とフランス人男性もいたので、まず大丈夫だろうと思っていた。 送迎はタダやから、そこに行って、部屋が気に入らなかったり、宿の人間が怪しかったら他を探せばいい。

インド一人旅〜ジャイサルメールのハーベリー

Sは、フォートの外にあって、そこの屋上からはフォートの眺めがとても良かった(上画像:レストランから見たフォート)。 部屋は、キレイな薄緑の壁で、ダブルベッドにバス・トイレ付。清潔で鍵もちゃんと していた。 部屋代はこのレベルで65Rsという超安値だった。 客層も家族連れや若者グループがいて、良さそうだ。普通に観光客が宿泊している。とりあえず、ルーフトップレストランで昼飯を食った。

インド一人旅〜ジャイサルメール〜バックパッカーの旅行記と旅情報

左:チキンパラオ。インドの炊き込みご飯。煮物やカレーよりスパイスがきいていない、味薄め。あっさり系。うまい!米じゃないと腹にたまらん。むこうに転がっているのはインドの葉タバコ”ビリー”。

メシを食べていると、さっきの客引きがやってきてアルバムを見せた。 「キャメルサファリ」の斡旋だった。 写真を見ると、とても楽しそうだ。 キャメルサファリに参加してみたいが、一人なのでそれが不安だ、と彼に言うと、他 の人たちと一緒に行くから安全だ、と。

そして、値段を聞いた。ピンキリで、明日出発のツアーは2泊3日で、70$。 「食事は豪華だよ!ビール、チキン、フルーツ付で、豪華なテントに泊まるんだよ! 夜は踊りや歌のショーもあるんだ!絶対チープサファリなんかより、ゴージャスサファリの方が面白いよ!」

キャメルサファリの値段と内容は、これで正しいのだろうか?

「考えますよ。今からフォート観光に行ってくる」
「今予約しないんですか?今すれば明日の出発グループに入れられるよ」
「待ってください」

キャメルサファリについてはそんなに深く考えてはいなかった。早朝出発でしんどかったからか、まだ昨夜の酒が残っていたのか?今思えば、盗難・事故に対して異常に気をつけていたにもかかわらず、「肝心な被害=ボリ、騙し」に対して私はアホだったのだ。

腹がいっぱいになったので、観光に行った。 ハーベリー(歴史のある古い民家)を見る。大通りから路地に入ると、とても異国情緒ある町並みが続く。

インド一人旅〜ジャイサルメールのハーベリー

インド一人旅〜ジャイサルメールのハーベリー

写真なんかよりもっと本物は美しい建物!繊細な彫刻が美しい。

インド一人旅〜ジャイサルメールのハーベリー

インド一人旅〜ジャイサルメールのハーベリー

ガイドブックに載っている有名なオールドハーベリー

インド一人旅〜ジャイサルメールのフォート

上:フォートの入り口。でかい!

そしてフォートの中に入った。 ここジャイサルメールは、ウダイプルみたいに韓国人観光客が多かった。地元民にも 聞かれた「なんで日本人はここまで来ないんだい?」 日本人を見たのは後に知り合う1人だけであった。

商店の前の椅子に腰掛けているおじさんが声をかけてきた。 「キミはジャパンかい?」 ここに来るまでに、何人かの店屋に同じように声をかけられたが無視してきた。

しかし、彼の問いに思わず答えた。 「そうです、ジャパンです」 「キャメルサファリをしないか?」 この店はキャメルサファリの旅行会社だった。彼は1冊のノートを見せる。 「ジャパンもウチのサファリに参加したことあるんだよ」 観光客の感想ノート。2001年に日付をボールペンで2005年に修正してある…ジャパニの感想もあった。

「この会社のサファリは探して一番安かった。面白かった。私はサファリは1泊2日で十分でした。砂漠は飽きる」ということが書いてあったと思う。人によっては、サファリは1泊2日で十分とかよく書いてあったな。

「もしかしたら、今の宿で申し込むかもしれません」
「どこの宿?値段は?」
「某Sホテルで、まだ申し込みはしてないけど、2泊3日でゴージャスサファリが70$。私はチープサファリにする予定ですが」
「…フン(笑)!」
彼はニヤリと鼻を鳴らして笑った。
「やはりな。ウチは1日350Rsだ」
「Sホテルを知っているんですか?」
「ああ、ここらへんじゃ有名だよ。客に高いキャメルサファリを斡旋する宿としてね」
キャメルサファリの相場は、どれくらいなんですか?調べようと思っていたんすよ〜」
「まあ、中に入って、チャイでも」

店に入って、チャイを飲みながら彼にキャメルサファリの相場を教えてもらった。 どうやら、某Sホテルは、ジャイサルメールでは評判の悪い宿らしかった。後に出会 う日本人と韓国人の2人組みも、この宿でもめたし、他に被害を何回か聞いた。

しかし、彼の客の感想ノートの、日付の直してある感想は一体?最近の感想は無いのか?このボスは、キャメルサファリガイド20年のベテランだった。地図を見ながら、コースや予定を説明された。

「Sホテルの部屋代は?」
「キッレーなバス、トイレ付のWで65Rs」
「…フッ(笑)でもサファリはすんごく高いよ。やつらの作戦だ。いい部屋を安値で 提供して、高額なサファリツアーで稼いでいるんだよ、あそこは。この街は他にもそんな宿があるよ。サファリの内容は、どこで申し込んでも一緒だ…人によって、値段が違うんだよ。結局、みんな同じツアーでも、申し込むところが違うから、内容が一緒でも値段が違うんだ。キミはジャパンやから、他のひとより高い値段で売りつけられる」
「そうやったんか…ここでサファリ申し込みます!あの宿出るよ!今すぐ宿から荷物もってきますよ!」

後からボスにも言われたが私は時にすっげー単純に行動する。深く考えるときと、そうでないときの差がありすぎる。なんも考えずに、すぐ実行して今まで旅で失敗してきて、後悔したことは数多い。

今もまた、前回の勉強を忘れて、アホは単純に某Sから逃げることで脳みそがいっぱいだった(笑)

急いでSホテルに戻った。 客引きの若者がロビーでメシを食っていた。

「どうした?」
「ここ出るわ」
「何だって?ちょっとここに座って話を聞けよ」

彼はくどくどとサファリの斡旋を続ける。
「ウチのサファリは最高なんだぜ?ジャパニもコリアンも楽しんでたよ、コレ見ろよ」
ホテルの感想ノート。 そこには客たちのサファリの感想が書いてある。
どれも「楽しかった」「星がキレイやった」と、満足気だ。この人らはこの人らで、楽しんだんやから、い〜んでね〜か。
「みんな、サファリ良かったって言ってるだろ?」
「お前の言いたいことは、分かった。でもここ出るからよ!」
最後の方はなんか怒鳴りあったと思う。

私は彼を振り切って二階の部屋に荷物を取りにいった。廊下に欧米系の青年がいたので、サファリのことを聞いた。1日650Rsで、内容はさっきの旅行会社のボスと変わらん。決定やな。この宿から出るべきや!

「サファリ、楽しかったですか?」
「ああ!とっても楽しめたよ!(笑)」

階下では騒ぎを聞きつけて、オッサン(オーナー)、使用人の男2人、客引き合わせ て4人の男が私を待ち構えていた。
「どうしたんだい?何で出て行くんだい?これから街を案内するとこだったのに」

「私の好きなことをする。どいてくれや」
「まあまあ、チャイでも飲んでくれたまえ」

今思えば、そのときの自分の行動はナゾだった…普通、この場面でチャイ勧められて飲むか?一刻を争うときに、よーわからんけど事務室で、私は出されたチャイを素直に飲んでいた。しかもタバコ吸いながら、余裕で…

「このホテルのゴージャスサファリは…」オーナーが努力してにこやかな笑顔を作って言う。
「行くよ、どいてくれ」
「…もう一杯、チャイどうぞ」

この時気づいた。今ここでチャイ飲んで寛いでいる場合か?そう思ったとき、目前のチャイがいきなり怪しく見えた。”このチャイには、睡眠薬が入っているんじゃないか?”

戸口で引きとめようとする青年やオッサンを振り切り、私は宿の外へ出た。

睡眠薬、といきなり疑ったのは考えすぎで、そこまで怪しい宿ではなかったんやろうけど、くだらんことに時間を費やしてしまった。もし、あの旅行会社で足を止めなかったら、350Rsのサファリに650Rs出していたかもしれないのだ。

決して、某Sホテルが本当にボリサファリなのかは分らないし、悪徳といえるのかは定かではない。それは、出す人の価値観によると思うのだ。相場は自分で決めるもんや。参加して、満足したなら、それでいいだろう。

気持ちの問題だ。自分は、サファリの内容がどれも同じ、ということを知ってしまった。この情報が本当なのかは今でも分らない。何が正しくて、何がボリなのか?

某Sのいいようにはさせんからなあ〜!ジャパンをナメんなよ、コラァ!その時は、単純な自分はそうとしか考えて無かったのだ。

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