インド一人旅バックパッカー旅行記〜ジャイサルメール

ジャイサルメール・信用問題と誕生パーティー

ジープドライバーは2人いて、一人は行くときにいた人やった。街に近づくと、私は行き先を教えた。念のために、ホテルのチラシを提示した。
「分った」
そして街に着くと、私はジープからリキシャに乗り換えるように言われた。

そのリキシャに、行きたい宿の名前を言うと、「そこじゃない」といわれた。どういうことだろうか?
ジープに聞く「このホテルには行かないと行っていますが?」

そうなのだ。彼らは自分の斡旋しているホテルに連れて行こうとしていたのである。そして、
「キミはキャメルサファリの参加者だから、ウチに来たら無料で宿泊できるよ。ビールもサービスする。友達(韓国カップル)も私のホテルに宿泊しているんだよ」とかなんとか、誘われた。

当然、断る。疑う以前に、私は弟と約束してあるのだ。戻ってくる、と。別のリキシャでフォート内に行った。

ホテルに戻ると、弟が驚いた表情で、握手で出迎えた。メチャメチャ嬉しそうだった。
「お帰り!キミのヘヤちゃんと予約してあるよ!シャワーするだろ?お湯沸かすよ!」

シャワーを浴びて洗濯をして、フロントで彼とチャイを飲んでいると、オーナーが戻ってきた。
彼も、少し驚いたようだった。「やあ、帰ってきたのか」
「おお!」二人が私が戻ってきたことに驚いたのは、本当だった。

「今夜は、彼の誕生パーティーなんだ。キミにも来てほしい」弟が言った。
「へえ、おめでとう!何歳の誕生日や?」
「19歳だよ」使用人の少年はあまり英語が話せないので、オーナーが答えた。夜のパーティーまでメシを食わないことにした。ネット屋に行ったり、ふらふらして、夜になった。

「おい、S、飲むぞ!」
ダイニングで、誕生パーティーが始まった。まずラムという、インドの酒の栓を開けて、壁に少し飲ませる儀式が行われた。ラムは、色は茶褐色。安くて、1瓶65Rsくらい。色だけはブランデーに似ているが、香りは無いといっていい。甘いが、コクは無い。安い酒だ。特にクセも無いし、強くもないので普通に飲める。甘すぎるが。
「ラムは安いから、私たちはよく飲むんだ」
私とオーナー、弟だけが飲み、主役の少年と弟の友人の土産屋の少年は何も飲まずに座っていた。3人でストレートでラムを飲む。土産屋の少年は帰って、使用人の少年は部屋に寝に行った。

「あれ?彼は酒飲まんのか?」
「まだ若いからな。今日はもう働かなくてもいいんだ」
少年が寝たのを見計らって、弟が寝室に行き、すぐに戻って来た。
「明日の朝、彼が起きたら、大喜びするよ!」
「なんでや?」
「今、彼のポケットに、プレゼントを入れたんだ。僕は50Rs、兄貴は100Rsもプレゼントしたんだよ」
「そうか!グッドアイデアやな、明日彼は、メチャメチャハッピーやん!」

「僕は、キミが絶対サファリからこのホテルに戻ってこないと思っていたんだ。戻ってきてくれて、嬉しいよ!」
「キミと約束したやろ、戻ってくるって。部屋とっておいてや、って」
「そういって、戻ってきた人はいないよ」

彼らの話によると、私が勧誘されたように、キャメルサファリの後に、「無料宿泊」「ビールサービス」などの”特典”につられて、みんなジープドラーバーについていくのだと。そして、それは当然、トラブルのもとになるわけで…

「前、この宿に泊まった日本人がサファリの後にドライバーに連れて行かれて、あとから高額な請求をされたって、僕に泣いて電話をしてきたことがあったんだよ」
「そうなんや〜やたら無料宿泊とか、ビールサービスとか、ウザかったなあ〜」
「どこのジープドライバーだ?」
「一人はしらんが、もう一人は某Pや」
「あー、Pか、あそこはボリ宿だ」

「私は、キミが戻ってくると信じていたよ」オーナーが言った。彼はチャンドラーボーズを尊敬する、親日家だった。弟は横浜に日本人のメル友がいる、と毎日言った。チャンドラーボーズ…日本軍と共にインド国民軍を作った人
「日本人は正直で、信頼できるからな。私は日本と日本人が大好きなんだよ」

「この時計、見てよ」弟が時計を見せる。シルバーの、日本製の時計だ。
「前、日本人のカメラマンのおじさんがここに来たんだ。僕と兄貴がまじめな働き者で、いい人やからって、この時計をくれたんだ。兄貴には、カメラをくれたんだよ!この時計、日本製だろう?かっこいいだろ、100ドルくらいするらしいよ」
見ると、それくらいの値段には見える。ちゃんとした良い時計だ。よっぽど嬉しい、自慢の時計なのだろう。彼は毎日時計を見せた。そのカメラマンの人はカメラや時計などの高級品をプレゼントするとは、よほど彼らのことが気に入って、お礼をしたかったんやろうな。

「私たちは、日本人と仲良くしたいんだよ」
「キミは、僕たちを信用してくれたから、友達だよ!」

この兄弟は、「信用問題」を非常に重んじていて、それにとても過敏に反応した。私にすれば当然のこと(約束をしたので宿に戻った)をしただけであるが、彼らはそのことによって自分達が信頼されていることが分り、嬉しかったのだ。そして、日本人のカメラマンの人がいい人やったから、日本人に好感を持っているのだろう。いい宿に来たようやな。

今日の誕生パーティーも、他の宿泊客は招かなかった、私たちを信用してくれたSだけや、と言った。

他にもいろいろ興味深い話をした。
「日本人は、男女が同じ部屋で泊まっても、セックスはしないんだろう?」
「ああ、必ずセックスをするとは限らんよ」
「なんでだ?」
「単に、部屋代を安くするために部屋をシェアするだけで、ヤリたくない人はヤラんよ(笑)人によるか。ただ、同じ部屋に泊まるだけで」
インドでは、同じ部屋に泊まる男女はセックスするんだよ」

え?ヤッてまうのかい?…ああ、こういうわけか。インドでは、セックスをする間柄の男女しか、同じ部屋に宿泊できないのだ。

そういえばインドの民家やどっかの壁にやたら「HIVなんとか、電話番号」が書いてあったな。。。多いんやろう、エイズは。旅でよくセックスネタを聞くが、エイズは問題だ。

「前、ここにフランス人の女1人と、男3人が同じ部屋で泊まっていて、あとから男が一人増えたんだよ!」4Pか…弟に確認すると、全員でヤッていたらしい。男女が同じ部屋に泊まること自体、普通でないのに、それは若者には刺激的だっただろう。

キャメルサファリで同じやった韓国の女性たちは、やたらチカンにあったり、ベタベタされると困っていたが〜笑えたのは、ヘナが小学生くらいの子供にチカンされたことだ〜外国人女性にそうなっちまうのも、仕方が無い。

酒を全部飲むと、オーナーの母親が作った食事を食べた。美味かった。このときから、私は毎日彼らと食事を共にした。後から弟の友人でインド在住のイギリス青年が来たのだが、”友達”である、私と彼だけは食事や酒をふるまわれた。

そして、パーティーは終わった。

韓国のヘナが言った「私たち”先進国の人間”は、普通のインド人(先進国の生活をしていない人)とは、わかりあえない」。そのとき、私はそうかもしれんな、とも思った。

「旅行者でインド人と友達になったつもりでいる人は、間違っている。お金を払うから、商売人が仲良くしたがるだけなんだ。所詮は”お客様”なんですよ」それは、そうやな、と思った。

頭のいい、国際的な彼女の意見は、正しいと思ったし、勉強になった。自分の頭の程度ではまとまらない考えだった。しかし、それは今思い出したことだ。旅日記を読み返すと、このパーティーで彼らと友達になったことについて、ヘナの言ったことは回想されていない。

このときは、ただ、彼らに信用されたことが、本当に嬉しかったし、酒を飲んで楽しかった。

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