インド一人旅バックパッカー旅行記〜ムンバイ
深夜ムンバイ着。駅で野宿する
2006/1/21
バンコクからのフライトは1時間遅れて夜中にムンバイ空港に着いた。1000円両替し、空港の外へ出た。凄い人だかりである。
デモか?と思うくらい人人人…一体真夜中に何をしているんやろう?到着する人を迎えに来ているのか?まずトイレに行く。
今夜はムンバイ空港で野宿するつもりが、あてが外れた。一旦でたら空港内には戻れなさそうだ。ゆっくり寝れる場所が無い!タクシー乗り場付近にベンチを見つけたが、当然満席だ。人がかなり密集しているのでかなりうるさい。
ここで野宿は不可能だった。諦めて、とりあえず駅に行ってみることにした。機内でガイドブックをチェックしたら、「駅にリタイアリングルーム(駅の宿泊所)がある」と書いてあったからだ。
プリペイドタクシーカウンターでチケットを購入。チケットに乗るタクシーNOが書いてあり、探した。おっちゃんが教えてくれてすぐに分った。
「CST駅まで」
タクに案内してくれたおっちゃんは何故か
「ユーロコイン持って無いか?」
と聞いて来た。意味は分らなかった。
外は真っ暗闇だ。タクシーは無言で進む。外灯は少なく、深夜でもたくさんの人、チャリ、車が走っている。普通に道端に人が並んで寝ている。
「このタクの運転手は、安全なんやろか?」
もしこの暗闇で脅されたら、ここで金を盗られて降ろされたら、終わりである。
運転手は無言だ。いつものように、念のため荷物を担いだまま運転手の背後に座った。妙に長い時間乗っている気がするし、同じような道をぐるぐる回っている気もする。
我慢して、空港で朝になるのを待つべきだったと後悔した。
30分ほど走っている。どこを通っているのかは全く分らない。
不安だが、このまま乗っているしかない。
やがて、ガイドブックに載っている建物が見えた。ほっとした。もうすぐCST駅だ。
駅が見えると、安心した。
昨日もまともに寝ていないし、微熱でフラフラしながら構内に入った。
中央のフロアは、野宿者で埋め尽くされていた。
夜中でもエンクワイアリー(駅案内所)は営業していたので、外国人用窓口の場所とオープン時間を確認するため聞いてみた。英語が分らないのか、私の英語の発音が悪いのか、めんどくさいのか、3人目で親切な係員にあたって、筆談で用件を済ませた。
そして待合室やリタイアリングルームを探したが、見つからない。
仕方が無いので座れる場所を探した。さすがに野宿集団の中に入る勇気は無かった。
すみっこに大理石のベンチがあり、空いている場所があったので近づくと上の水道管から水が滴っていたので座れなかった。すると隣の親切なおじさんが席を譲ってくれた。
夜はけっこー冷える。ジャンパーを着て、タイ航空から盗んだ(帰りのフライトで返した)ブランケットにくるまり、荷物を背負ったまま寝てみた。水道管の水に蚊が集まるので、さっそく蚊に刺された。
明るいし、人が多いし、緊張で寝付けなかった。
うとうとしかけた頃には朝になっていた。6時。さらに人が増えた。
野宿集団はもういなかった。外国人窓口が開くのは8時なので、再び寝ようとしたら警察に肩をポンポン叩かれて起こされた。
私はそれで済んだのだが、隣で寝ていた青年は反抗したので、逆ギレした警察は竹刀でメチャクチャ彼を叩いた。そこまでやるか?ってくらい思いっきり殴っていた。
目の前にタンカに乗った、青白く硬直した老婆の死体が運ばれてきた。
初めてのインド。だが、その光景を見ても驚きはしなかった。
ようやく8時前になった。チケットオフィスの窓口が開くや否や、皆走って争うように窓口に並んだ。
2階の外国人専用窓口に行き、用紙に必要事項を記入した。
切符はすんなり購入できた。
疲労と熱があるので、AC(エアコン)付二等寝台にした。
駅の売店で列車の時刻表を仕入れて、ムンバイ市内観光に。

ムンバイ駅前

上:ムンバイ市内中心広場
ムンバイはインドっぽくない。
ヨーロッパみたいな建物が多く、都会である。
人々の歩き方も早めな気がする。
大手のドイツ系銀行でトラベラーズチェックを両替しようとしたら、「トーマスクックに行ってくれ」と言われ、アメックス銀行に行くと、「KANJIなんとか両替屋」を紹介された。そのまま「カンジ」と読むので少し驚いた。
ムンバイは都市なので信号が至る所に設置されているが、誰一人として赤信号を待たない。大阪人もビックリや!
時々信号が壊れている所や無い所では、車、バイクを避けてつっこむしかない。
ここらへんはエジプト・中東で慣らしたので平気だった。

とりあえずKANJI両替屋で日本円5000円を両替した。日本円のレートは悪かったので、ごまかされたかと思って3回も電卓を借りて確認した。重い荷物を背負いながら、観光中心地インド門に向かった。
タバコを吸ってゆっくり休憩したかったので、外国人観光客向けの歩き方に載っている「Leopord Cafe」へ。
外国人観光客でいっぱい、ビールもある。値段は当然割り高。従業員がやたら多い。
客が多く儲かっている店なので、白人の女性と相席になった。
彼女は優雅に小説を読み、デパートに買い物に行くレベルの服装だった。
ムンバイの観光客は小奇麗な人や家族連れが多かった。
私はこの街が好きにはなれなかった。
都会だからである。
ここで泊まるのは金のムダやと思った。物価も高そうやし。昨夜から痰が酷く、熱があった。
持参の風邪薬とビタミンCのサプリメントを飲み、タイで仕入れたリポビタンDを飲んだ。更にビタミン補給の為、安いレモン水とフィッシュフライを頼んだ。
フィッシュフライはものすんごく小さくてびびった!フレンチの真似だろうか?
ポテトの付け合せも少ない…
当然、全体的に割高なので他の物を注文するのは勿体無い!
レモンウォーターの水はミネラルだろうか?心配になったが飲んだ。

そして、まずインドでマラリア予防の為に仕入れなければいけない蚊取り線香と虫除けスプレーを探しに。
最初の薬屋に無かったので向かいの雑貨店に入った。
電気式のコンセント付き液体蚊取りが30日分36Rs。虫除けスプレーは無かったのでクリームを購入。他にはミネラルとジュース。
インドで初買い物。
正規の相場だろうか?
ボラれるのか?
蚊取りは値段が明記されていた。インドでは品物に値段が明記されていることは意外中の意外で驚きだった。
店員の兄ちゃんは私に電卓を向けて「××が29Rsで××が…」と説明。インドならこんなもんか、と思える値段だった。
店の入り口から小学校低学年くらいの小さな女の子が二人戸口から顔を出し、私に手を差し出した。
黄色と青の花柄のカワイイワンピースを着て、ちゃんとサンダルを履いている。身なりは汚れてはいなかった。
兄ちゃんはシッシッと追い払った。
他に必要な物が無いか考えていると、小さいインド人少年に手を引かれて欧米人の少年が店にやってきた。
インド少年は棚に積み上げられた粉ミルクの缶を指差し、欧米少年がそれを手に取った。
店主がキツイ口調でインド少年に何か言い、欧米少年の手から缶を取ってもとの棚に戻した。
そしてインド少年を叱った。
欧米少年は泣き出しそうなくらい悲しそうな表情で言った。
「ごめんね、キミに何も買ってあげられなくて…」
彼の手首には、インド少年が抱えている花の腕輪が巻かれていた。
家族で旅行に来たのだろう。
外で待っていた父親が彼の肩を抱いて「行こう」と促した。